今回は、coinweekが発表した記事を元にお届けします。
ヘリテージオークションが2025年6月18~20に開催した「HKINF World Coins Platinum Session and Signature® Auction(世界コイン/プラチナセッションおよびシグネチャー・オークション)」および「World Paper Money Signature® Auction(紙幣シグネチャー・オークション)」。
この2つのオークションで合わせて US $15,211,597(約1,521万ドル) の落札総額を記録したことがわかりました。
1,521ドルは2025年6月時点の1ドル=145円のレートで換算すると、22億545万円にものぼる高額です。
※以降、当記事は全て1ドル145円で換算します。
今回は、22億円以上もの落札額を記録したオークションの目玉商品となったコインはどのようなものだったのか?について解説していきます!
- ヘリテージオークションで6月に開催されたコインと紙幣のオークションは約1,521万ドルもの記録的な落札総額を叩き出した
- 主にシンガポール実業家Peh氏によるPeh Familyコレクションからのコインが高額落札された
- 高額落札コイン上位3点は中国コインや日本コインの非常に希少かつ状態の良いものだった
- アンティークコインへの注目はまだまだ収まることを知らないことがわかった
目次
オークションについて
まずは、当該オークションの概要を簡単にご紹介します。
ヘリテージオークションで2025年6月18日から20日にかけて開催されたオークションは、下記の2つです。
- HKINF World Coins Platinum Session & Signature® Auction
- World Paper Money Signature® Auction
前者は、非常に価値が高く、注目度の高いコインを主に取り扱うオークション、後者は主に紙幣を取り扱うオークションです。
この2つのオークションで記録的な落札額が叩き出されたことが話題となっています。
落札額の高かった注目の出品コイン
それでは、記録的落札額を叩き出した当該オークションにどのような出品物があったのかをご紹介します。
今回、コイン部門においては世界屈指のコインコレクションと言われるPeh Family(白家)による中国通貨が主に高額落札されたことで注目を集めました。
Peh Family(白家)のコレクションは、シンガポールの著名な収集家、Peh(白)氏によるものです。
H3:1906年 広緒(Guangxu)銀再鋳 サンプル・パターン タール銀(Restrike Specimen Pattern Tael CD 1906 SP66 PCGS)
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画像引用元:Coinweek
今回最高落札額だったコインが、この1906年 広緒(Guangxu)銀再鋳 サンプル・パターン タール銀(Restrike Specimen Pattern Tael CD 1906 SP66 PCGS)です。
落札額は81万ドル(1億1745万円)。
中国コインの中で、世界的にも「教科書級の希少品」とされる逸品です。
中でも鑑定機関によるグレードが非常に高いこともポイント。
「Peh Familyのコレクションは世界有数のコレクションであり、この素晴らしいコインは今回のオークションの先陣を切るのにふさわしい逸品です。」
と、ヘリテージオークションのコイン部門責任者であるクリス・ビアレンバッハ氏は述べています。
「Peh Familyのコレクションのオークション会場は満員で激しい入札合戦が繰り広げられ、落札まで数分を要することもありました。
これにより、私たちのチームにとっても記録破りのイベントとなり、次回12月に開催予定のHKINF World & Ancient Coins Platinum Session and Signature® Auctionにおいても同様の成果をあげられることが期待できるでしょう!」
と同氏は語ります。
監修者 葉山満
ものすごい数の希少コインが収集されたものの、最近まで手放されることが無かったので、コレクター垂涎の品々が一気に登場した形となります。
1911年 宣統(Xuantong)銀再鋳 “長髭龍”ドル(Long‑Whiskered Dragon Dollar Year 3 1911 SP63 NGC)
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画像引用元:Coinweek
同じくPeh Familyのコレクションである、1911年 宣統(Xuantong)銀再鋳 “長髭龍”ドル(Long‑Whiskered Dragon Dollar Year 3 1911 SP63 NGC)も非常に人気があり、高額落札されました。
こちらは2枚あり、1枚はグレードがSP63で50万4千ドル(7,308万円)、もう1枚はSP63+のもので、40万8千ドル(5千916万円)で落札されました。
清代・咸豊(Xianfeng)500銭 紋飾(Engraved Master)
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画像引用元:Coinweek
清代・咸豊(Xianfeng)500銭 紋飾(Engraved Master)は、日本国外で落札された通貨コインとしては過去最高落札額の36万ドル(5,220万円)で落札されました。
確かに、このような中央に穴の空いた穴銭は非常にレアではありますが、額面がこれほど高額であり、かつ、手掘りのような風合いのあるものは非常に希少だと言えます。
専門家によると、ここ数十年で穴銭の500銭は1枚も発見されておらず、まさにトロフィー級の価値のあるものだということです。
その他の注目コイン

画像引用元:Coinweek
注目を集めたコレクションの中には、日本のコインもありました。
明治3年の模様付きコインは、予想価格をはるかに上回る28万80千ドル(4,176万円)で落札。
日本で初めて機械鋳造された銀貨としては極めて希少な模様付きのコインです。
今回のオークションに出品されたものは現存する数少ない銀貨の中で、2番目に高いグレードの認定を受けているものでした。
他にも、1995年 台湾返還50周年記念2000元(1kg)コイン PR69 Ultra Cameo NGCは26万4千ドル(3,828万円)、明治7年(1874年)プルーフ貿易ドル銀貨 PR62 NGCは24万ドル(3,480万円)など、数千万円規模で落札されたコインが数多くありました。
その他のコインや紙幣については、ぜひcoinweekの記事をご参照ください。
まとめ
今回は、2025年6月にヘリテージオークションにて開催されたオークションで記録的な落札額を叩き出したコインについてご紹介しました。
数々のコインが予想落札額を大きく上回る価格で落札され、紙幣オークションとあわせて22億円もの額を記録した当該オークション。
さまざまなジャンルの商品を取り扱うヘリテージオークションですが、アンティークコインへの注目度は未だ衰えることがなく、ますます活性化していることがわかります。
監修者 葉山満
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