古代コイン収集家たちのための非営利団体であるACCG(Ancient Coin Collectors Guild)が、2026年3月17日付の連邦官報に掲載された新たな関税案に対し、反対意見を提出しました。
今回は、ACCGの公式サイトが掲載する「ACCG Comments on Tariff Legislation」のページを元に、米関税案に古代コイン・アンティークコインがどう関わるのかを解説します。
- ACCGは古代コインをはじめとしたコイン収集の自由や活動を促進する非営利団体
- ACCGは米関税案である301条関税に対して反対意見を提出した
- 301条関税は米国が不公正な貿易慣行と判断した場合に追加関税や輸入制限ができる制度
- ACCGは古代コインをはじめとした骨董品はアメリカの製造業とは関係が無いため301条関税は対象外であることを訴えている
ACCGとはどのような団体?

ACCGは、教育や政治活動、消費者保護を行い、コイン収集の自由や独立した活動を促進する非営利団体です。
ACCGの目標は、一般の人々が、歴史的価値を持つあらゆるコインを、年代や原産地に関係なく、個人または職業目的で合法的に安心して取得・保有できる環境を整えること。
現在、24の関連団体を持ち、数千人の古代コイン収集家および数百の小規模貨幣取引業者の利益を代表しています。
詳細はACCGの公式ウェブサイトでも確認できるので、興味がある方はぜひご覧ください。
ACCGはどのような米関税案に意見を述べているのか?

ACCGは、古代コインやアンティークコインが、米関税案である301条関税の対象外であることを主張しています。
301条関税について
301条関税とは、米国通商法301条に基づく追加関税措置のことです。
トランプ政権下で中国製品への大規模な関税引き上げが行われたことから、「トランプ関税」と呼ばれることもあります。
米国が不公正な貿易慣行と判断した場合、米通商代表部(USTR)の調査を経て、追加関税や輸入制限などを発動できる制度です。
対象となる国や品目によって税率は異なりますが、高率の追加関税が課されるケースもあり、国際貿易や市場価格に大きな影響を与える要因として注目されています。
301条関税に対するACCGの意見概要

301条関税に対するACCGがどのような意見を送ったのかを掲載します。
「数百年前の歴史的なコインや骨董品は、現在のアメリカの製造業とは関係が無く、また、影響を与えるものでもありません。
そのため、古代コインをはじめとする骨董品に関して、301条関税の適用申請を取り下げるよう要請します。
これらのコインや骨董品は、現在の「製造業部門」にも「構造的過剰生産能力」にも明らかに該当しないため、301条委員会の調査対象となっている問題とは明らかに無関係です。
実際、これまで関税が免除されてきた歴史的コインに課税することは、アメリカの数十億ドル規模の貨幣取引を構成する零細・中小企業、そして個々のアメリカ人コレクターに不均衡な損害を与えることになるでしょう。
なぜなら、同じ品目に対して関税を支払う必要のない海外市場の企業やコレクターと比べて、これらの企業やコレクターは不利な立場に置かれることになるからです。
これらの品目に関税を課すことは、文化史料の無税流通を意図的に確保するために策定された、ほぼ1世紀にわたる議会の政策と真っ向から矛盾します。
歴史的コインは、他の文化財と同様に、通常は関税の対象とはなりません。
これは、政府が文化交流の促進に努めてきた結果です。
約90年前に、議会は美術品や文化財の自由な流入を促進するため、骨董品を免税対象としました。
2026年3月23日付の国際専門貨幣学者協会(International Association of Professional Numismatists)のコメント(私たちはこれを全面的に支持します。)にある通り、1930年米国関税法のHTSでは、「アンティーク」は製作から100年以上経過した手工芸品と定義されました。
その結果、米国は1952年のユネスコ・フィレンツェ協定以前からアンティークを免税としていました。
この協定は、「教育・科学・文化資料の国際移動を妨げる障壁を取り除き、自由な流通を促進する」ことを目的としています。
最後に、HSコード9705に基づく歴史的コインの長年の免税は、トランプ大統領の相互関税や、より最近の一時的な輸入追加関税によっても変更されていません。
むしろ、歴史的コインはHSコード9903.01.31および9903.03.11に基づく免除対象の「情報資料」として扱われています。
結論として、 我々は第301条委員会に対し、HSコード9705(収集品及び収集品)及びHSコード9706(骨董品)を301関税適用対象から除外するよう勧告することを強く要請します。」
監修者 葉山満
まとめ
今回は、古代コイン収集活動を支援する非営利団体、ACCGがトランプ関税と呼ばれる米関税案に反対意見を送ったことについて解説しました。
主に対中国との貿易でさまざまな話題を呼んだトランプ関税ですが、アンティークコイン・古代コインにも影響を及ぼす可能性があります。
そこでACCGは古代コインをはじめとした骨董品は対象外であるべきだという意見書を提出することになったのです。
今回の記事以外にも、アンティークコインにまつわる世の中の動きに関するニュースを記事にしていますので、ぜひご覧ください。
- ACCGは古代コインをはじめとしたコイン収集の自由や活動を促進する非営利団体
- ACCGは米関税案である301条関税に対して反対意見を提出した
- 301条関税は米国が不公正な貿易慣行と判断した場合に追加関税や輸入制限ができる制度
- ACCGは古代コインをはじめとした骨董品はアメリカの製造業とは関係が無いため301条関税は対象外であることを訴えている


