アンティークコインの価値を決める3つの要素とは?

趣味や投資でアンティークコインを集める人が増えています。

特に投資が目的の人は、アンティークコインの価値がどう決まるのか、また持っているアンティークコインの価値は今後上がるのかなど、価値に関することが気になりますよね。

「アンティークコインの価値なんて、グレードで決まっているでしょう?」と思う方もいるかもしれません。

確かにグレードはコインの価値を決める重要なポイントですが、グレードだけで価値を決めることはできないのです。

アンティークコインの価値を考えていくと、奥深い世界があることを学べます。

この記事では入門編として、アンティークコインの価値の決まり方について解説していきましょう。

アンティークコインの価値を決める3つの要素

コイン
アンティークコインの価値は、「グレード」「希少性」「人気」の3つの要素を総合して決まります。

「グレード」「希少性」「人気」と三拍子揃った非常に価値の高いコインもありますが、少しグレードが落ちても、希少性と人気が価値を押し上げるケースもあります。

そのような意味で、アンティークコインの価値は奥深く面白い世界でもあります。

それでは、アンティークコインの価値を決めるそれぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。

アンティークコインの価値を決める3つの要素
  • グレード
  • 希少性
  • 人気

アンティークコインのグレード

ルーペ
グレードとは、アンティークコインの状態の良し悪しを客観的な数字で評価したものです。

専門の鑑定機関にグレードを付けて貰えば、誰でもそのコインの素晴らしさが一目で分かるので、透明性も高い価値基準です。

コインは美術品としての性質があるので、未使用で綺麗なコインほど価値が高くなることは想像しやすいですよね。

グレードとは、未使用で流通していないコインから使い込まれて表面がすり減ったコインまでを、数字で評価する仕組みです。

専門の鑑定機関の中でも信ぴょう性が高いのが、アメリカに本社を置くPCGS社とNGC社です。

これらの両機関のグレードについては、詳しく後述していきます。

アンティークコインの希少性

コンパス
アンティークコインは100年以上昔に作られたもので、現在は流通も鋳造もされていないコインのことです。

つまり、将来的に数が増えていくものではありません。

現存しているアンティークコインも、火事や盗難で失われてしまう可能性があります。

そのため、数は増えないけど減る可能性はあるのが、アンティークコインの特徴の1つです。

数が増えることは無いので、時間とともに希少性は上がっていき、価値も上がっていきます。

アンティークコインが投資に向いているのは、このような性質ゆえです。

アンティークコインの中にもさまざまな種類があり、発行された枚数はバラバラです。

当然、発行枚数が少ない方が希少性が高いので、価値は高くなりやすいです。

えば、1839年にイギリスで発行された記念コイン「ウナとライオン」は、発行枚数がたったの400枚しかありません。

今後増えることは無いので、非常に貴重で高価なコインとなっています。

アンティークコインの人気

オークション
アンティークコインの価値が決まる要素は、グレードや発行枚数といった客観的な指標だけではありません。

コインのデザインそのものが美しくて人気のコインには買い手が殺到するので、「人気」もコインの価値を決める要素になっています。

また、コインの人気はデザインだけで測れるものではありません。

コインが発行される歴史的な背景や、コインに採用されたデザインが象徴する出来事など、コインには歴史のロマンが詰まっているのです。

100年以上も昔に作られたアンティークコインだからこそ、ロマンある歴史を感じられるものです。

趣味や投資でコインを集めている人もこのようなロマンに惹かれている人が多く、歴史的な意味のあるコインは人気が高く価値も上がりやすいです。

鑑定機関によるアンティークコインのグレード

ルーペ
上記で簡単にコインのグレードについて紹介しましたが、鑑定機関によるグレードはもっと奥深い世界です。

代表的な鑑定機関はアメリカに本社のある「PCGS社」と「NGC社」の2社で、これらの機関のグレードは信ぴょう性が高く、市場でも信頼されています。

PCGS社でもNGC社でも、ほとんど似たような基準が採用されています。

両社の鑑定基準について、次の項目から詳しく見ていきましょう。

コインのタイプ別グレード

コイン
コインは流通目的であるかどうかなどにより、次のようなタイプに分けることができます。

タイプ 読み方 意味
PF または  PR プルーフ(Proof) 記念コインなどで流通目的ではなく、美しく輝いているコイン。PCGS社はPR、NGC社はPFを使っています。
MS ミントステイト(Mint State) 流通用に造られたコインですが、実際には出回らなかったため美しい未使用のコイン。
AU 準未使用品(About Uncirculated) 流通はしたものの、未使用に近い状態のコイン。
F 並品(Fine) 流通しており、傷がついているコイン。

最もグレードが高く価値も上がっているのがPF、PR、MSです。

グレードは「PF65」のようにタイプと数字で表されますが、数字の前についているアルファベットが表で説明したタイプの意味となります。

状態を細かく表す数字のグレード

コイン
コインのグレードは、さらに細かく数字で分けられます。

最高は70で、完全未使用品のコインを表しています。

「PF70」という鑑定結果の表示がある場合、流通していなく未使用の超美品ということになり、価値も高くなります。

未使用のコインは60~70のグレードを付けられるので、投資が目的の方には60代のグレードのコインを集めることをおすすめします。

60を下回っているコインだと、表面の絵柄のすり減りや傷が目立つようになってきます。

使い込まれたビンテージ感が好き、という方もいらっしゃるので一概には言えませんが、グレードは60あたりを目安にすると良いでしょう。

価値あるコインを購入するために

女王
アンティークコインの価値の決まり方について紹介してきました。

コインの価値は3つの要素(グレード、希少性、人気)によって決まりますが、中でも状態の良し悪しを客観的に評価する「グレード」の重要性は伝わりましたでしょうか?

残念ながら、グレードがごまかされたアンティークコインも流通してしまっています。

このようなコインを高値で買ってしまわないためにも、信頼できるディーラーを見つけたり、アンティークコインに関する知識を身につけたりする必要があります。

趣味や投資でアンティークコインを集めている方は、PCGS社やNGC社のグレードを参考に売買するようにしましょう。

手元にあるコインが未鑑定であれば、これらの機関に鑑定してもらい、価値を把握しておくのも良いですね。