NGC鑑定済みの古代コインにつくネガティブコメントとは?ネガティブコメント一覧を紹介!

NGC鑑定済み古代コインのネガティブコメントって?
ネガティブコメントにはどのようなものがあるの?
ネガティブコメントのついた古代コインは買わない方がいい?

 

アンティークコインを鑑定する世界的に有名な機関、NGC

NGCが古代コインを鑑定した際に、「ネガティブコメント」というものがつく場合があります。

今回は、NGC鑑定済みの古代コインに見られるネガティブコメントを徹底解説。

一覧でお見せするので、古代コインのネガティブコメントについて気になる方はぜひ参考にしてくださいね。

 

NGC鑑定済み古代コインのネガティブコメントとは?ざっくりいうと
  • NGCの古代コイン鑑定は右側にグレードやネガティブコメントが書かれていることがある
  • ネガティブコメントとはコインについての良くない情報を記したもの
  • さまざまなネガティブコメントがある
  • ネガティブコメントのついた古代コインでも希少性が高く人気なら買っても良い

 

NGCの古代コイン鑑定の見方

まず、NGCで鑑定された古代コインについての情報の見方について解説します。

 

NGCの古代コイン鑑定の見方ざっくりいうと
  • 左側にコインの概要、右側にグレードが書いてある
  • 右側にはコインのグレードを表すアルファベットと、打刻の位置・表面の摩耗状態を5段階評価で表した数値が書かれている

 

一般的に、紀元前600年ごろから紀元後400年ごろまでに発行されたコイン「古代コイン」と呼びます。

中でも人気なのは、古代ローマや古代ギリシャ、ビザンツ帝国で発行されたコイン。

 

古代コインを鑑定している機関は現在、「NGC Ancients」というNGCの中の古代コイン専門部署のみです。

そのため、鑑定済の証拠であるNGCスラブ入りの古代コインは非常に信用度が高く人気があると言えます。

 

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NGCの古代コイン鑑定について解説

古代コインサンプル

NGCで鑑定された古代コインのスラブケースには、左側コインの発行年や発行国、描かれたモチーフなどの概要が書かれており、右側古代コイン特有のグレード、鑑定結果やネガティブコメントなどが書かれています。

画像のコインのケース右側には、AU Strike:5/5 Surface:4/5」と書かれているのが見えるでしょうか。

 

「AU」は、準未使用を指す、「About Uncirculated」の略で、70段階に分けられたシェルドンスケールにおいて50〜53に該当します。

他にもさまざまな表記があるので対応するシェルドンスケールの数値と共にのちほど紹介しますね。

 

その下に書かれた「Strike」とは、打刻の位置を意味する言葉です。

「5/5」というのは、5段階評価中5である、という意味で、最上であることを表します。

そして、「Surface」コイン表面の摩耗状態を意味する言葉です。

こちらも、5段階評価で表されます

 

古代コインのグレードをシェルドンスケールに適用すると?

古代コインの状態を表す「AU」「VF」などの表記。

このアルファベットは複数種類ありシェルドンスケールに当てはめておおよその状態を知ることができます

一覧は、下記の通りです。

 

表記 何の略 意味 シェルドンスケール
Gem MS Gem Mint State 逸品の未使用品 65~70
Choice MS Choice Mint State 選りすぐりの

未使用品

63~64
MS Mint State 未使用品 60~62
Choice AU Choice

About Uncirculated

選りすぐりの

準未使用品

55~58
AU About Uncirculated 準未使用品 50~53
Choice XF Choice

Extremely Fine

選りすぐりの

極めて良好な品

45
XF Extremely Fine 極めて良好な品 40
Choice VF Choice Very Fine 選りすぐりの

非常に良い品

30~35
VF Very Fine 非常に良い品 20~25
Choice Fine Choice F 選りすぐりの

素晴らしい品

15
F Fine 素晴らしい品 12
VG Very Good とても良い品 8~10
G Good 良い品 4~6
AG About Good だいたい良い品 3
FR Fair まずまずの品 2
PO Poor 芳しくない品 1

 

監修者 葉山満

「FR」や「PO」は投資には向かない場合が多く、投資目的での購入はおすすめできません。

 

NGC鑑定済み古代コインにつくネガティブコメントとは?

NGC鑑定済み古代コインにつくネガティブコメントとは?

それでは、NGC鑑定済み古代コインにつくネガティブコメントとは、どのようなものを指すのでしょうか。

ネガティブコメントとは、その名の通り、ネガティブなコメント。

つまり、そのコインについての良くない情報を記したものです。

 

NGC鑑定済み古代コインにつくネガティブコメントとは?ざっくりいうと
  • ネガティブコメントはスラブの右側の「Strike」「Surface」と、最下部の「NGC ANCIENTS」のちょうど真ん中あたりに書かれる
  • さまざまなネガティブコメントがある
  • ポジティブコメントも存在する

 

ネガティブコメントはどこにつく?

ネガティブコメントは、スラブ表記の右側、「Strike」「Surface」と、最下部の「NGC ANCIENTS」のちょうど真ん中あたりに書かれます。

小さな字で書かれているので、NGC鑑定済み古代コインの画像ををインターネットなどで見る際、あまり気にせず見逃している人も多いのではないでしょうか。

ネガティブコメント

画像の赤枠で囲った部分です。

 

ぜひ、購入を検討している場合はこの部分にコメントが無いかどうか、注目してみましょう。

 

どのようなネガティブコメントがある?

ネガティブコメントにはさまざまなものがあり英語なのでわかりづらい…と感じる方も多くいます。

そこで、これまで見られたネガティブコメントにどのようなものがあるのかを、意味と共に紹介します。

 

ネガティブコメント 意味
Bent 地金に曲がった部分がある。
Brockage 鋳造ミスで、表面にも裏面にも同じ模様が(片面は反転された状態)刻印されてしまっている。
Brushed 洗浄された際にブラシ跡がついてしまっている状態。
Bankers Marks 銀行員や商人がコインの流通状態などを確認するためにつけたマークがついている。
Clipped 金の含有量を調査するためや、重さの調節のために端っこが切り取られている状態。
Countermark 印が付けられた状態。

印の理由は、コインの価値を減価するためや、プロパガンダ的な意味合いを持たせるため、今後流通しないコインと認識するため、など様々。

Crystalized 銀貨に起こる現象で、銀が結晶化して縁から動画進出している状態。
Damaged ダメージがある。
Deposits 表面に何らかの物質がくっついてしまっている。
Die Shift 刻印を何度か打たれて模様が二重になっている。
Edge Chip コイン内部が結晶化して欠けてしまった状態。
Edge Cut 金の含有量を調査するためや、重さの調節のために端っこが切り取られている状態。
Edge Filing コインの縁が削られている状態。
Edge Marks コインの縁にマークが入れられている状態。
Environmental Damage and Erosion 海の中や、酸性の土壌などで保管されていたことによるダメージがある状態。
Ex-Jewelry アクセサリーとして使用されていた状態から外されたもの。
Ex-Mount 装飾品として使用されていた状態から外されたもの。
Mount Removed 装飾品として使用されていた状態から外されたもの。
Flan adjustment 鋳造された際に重すぎたため、切り取られたもの。
Flan Crack 亀裂が見られる状態。
Flan Flaw 合金が均等に混ざり合っていないためムラが見られる状態。
Flan Void 合金が均等に混ざっていないことで気泡や隙間が発生している状態。
Gouge 大きな切り取られたような溝が見られる状態。
Graffiti わざと彫られた(描かれた)マークが見られる。
Lamination コインの内部から表面が剥がれている状態。
Marks 鋳造後に発生した欠陥がある状態。
Overstruck 一度鋳造されたものが別の機関で再度鋳造されているため、最初の刻印が一部見えている状態。
Pierced アクセサリーとして使用するためなどに穴が開けられた状態。
Porosity 腐食などで穴が開いた状態。
Polished 機械などで磨かれた状態。
Repair 欠けた部分などを修復するため縁に金属が継ぎ足されている状態。
Repatinated 見栄えを良くするために、わざとコインに緑青(のようなもの)をつけた状態。
Scratch 本来ついていないはずのマークがついている状態。
Scuff 大きな傷があり、意図的に削られたような跡がある状態。
Smoothing コインの表面を意図的に滑らかに加工している状態。
Straightened コインに曲がった部分があったものを、意図的にまっすぐに戻した状態。
Test Cut 金の含有量を調査するためなどに端っこが切り取られている状態。
Wavy Flan さまざまな方向に曲げられた状態。
Wrinkled Wavy Flanよりもさらにさまざまな方向に曲げられた状態。

 

ネガティブコメントにはこのように、コインそのものの価値を下げる何らかのポイントが書かれています。

それらの要因は、経年により表面に腐食が見られるなどの自然発生的なものや、意図的に表面が加工されたり、切り取られたりしたものなどさまざまです。

 

監修者 葉山満

ネガティブコメントはこのように非常にたくさんあります。気になった時にぜひこの一覧をご利用ください!

 

ポジティブコメントについても紹介

NGCにより鑑定された古代コインには、ネガティブコメントだけでなく、良い意味のことが書いてある「ポジティブコメント」も存在します。

例えば、「★」が書かれている場合は、コインの特定の部分が得に優れていることを表しています。

しかし、特定の部分が優れていることは、グレードには直接関係がありません

fine style

他に、「Fine Style」というポジティブコメントも存在します。

彫刻に、得に優れている部分がある状態の古代コインにつけられるポジティブコメントです。

 

ぜひこちらも参考にしてください

NGC真贋保証 NGCは古代コインの真贋を保証しない!?コイン鑑定機関NGCは信頼できるのか

 

ネガティブコメントのついたコインは買わない方がいいのか?

ネガティブコメントのついたコインは買わない方がいいのか?

コインに何らかの欠陥や良くない部分がある場合につけられるネガティブコメント

それでは、NGCによってネガティブコメントのつけられた古代コインは購入しない方が良いのでしょうか?

 

結論としては、「ネガティブコメントがあるものより、無いものの方が良い。」と言えます。

 

しかし、世界に数枚しか確認されていないような希少コインや、大人気のコインなどは、例えネガティブコメントが付いていたとしても価値が高いコインと言えるでしょう。

希少性や人気がコインの状態を上回る場合は、購入しても良いかもしれません。

そうでない場合であれば、なるべくネガティブコメントの無い古代コインを買うことをおすすめします。

 

監修者 葉山満

古代コインの価値は、「希少性」・「状態」・「人気」の3つのバランスによって決まります。ネガティブコメントがついていて状態が悪いものでも、他の2つで価値がゆるがないなら、買いでしょう。

 

まとめ

今回は、NGC鑑定による古代コインのネガティブコメントについて解説してきました。

古代コインを鑑定する機関は、現在NGCの専門部署である「NGC Ancients」のみ。

そのため、NGC鑑定済みの古代コインは非常に信頼度が高く、人気です。

そんな中、「ネガティブコメント」というコインに関する良くない情報が記載されているものも存在します。

ネガティブコメントにはさまざまな種類があるため、ぜひ今回紹介した一覧を参考に、どういったものがあるのか参考にしてください。

ネガティブコメントのついた古代コインはあまり購入をおすすめしませんが、そのコインの希少性や人気が非常に高い場合は購入しても良いと考えられます。

ぜひ、今回の記事でネガティブコメントについて知り、より充実したアンティークコインライフを送ってくださいね。

 

NGC鑑定済み古代コインのネガティブコメントとは?まとめ
  • NGCの古代コイン鑑定は右側にグレードやネガティブコメントが書かれていることがある
  • ネガティブコメントとはコインについての良くない情報を記したもの
  • さまざまなネガティブコメントがある
  • ネガティブコメントのついた古代コインでも希少性が高く人気なら買っても良い

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