今回は、テキサス州に拠点を置き、コイン業界を牽引する企業にひとつであるGreat Southern Coinsが2025年5月に発表した記事(https://greatsoutherncoins.com/blogs/news/rare-coin-market-update-for-tuesday-may-27-2025)を元に、最新の希少コインのトレンドや、今は注目度は低いものの、これから人気が出るかもしれないコインについて解説していきます。
監修者 葉山満
Great Southern Coinsはアメリカの企業なので、本記事は主にアメリカのコインコレクターの傾向について書かれています。
それをふまえてぜひ現在のコイントレンドについての知識のひとつとしてご一読ください!
- コインコレクターはグレードが高く希少なコインを追い求めている
- 現在人気があるのはキーデイトのアメリカコインや、アメリカ以外の主要国のコイン、NGCのレジストリーの人気セットに含まれたコインなど
- 一方、現代のアメリカ流通コインや発行数の多い地金型コインは過小評価されがち
- 現在は地金の価格高騰や不安定な情勢によってコインは注目されつつあるが、アメリカの国際貿易政策が今後コレクターに悪い影響を与える可能性も
目次
アメリカのコインコレクターの傾向
2025年の希少コイン市場はこれまで同様、非常に活発な傾向にあり続けています。
コレクターたちは依然として高グレードかつ発行枚数の少ないコインを追い求めていますが、それと同時にこれまで見落とされてきたジャンルのコインにも目をむけつつあります。
特にコレクターに人気なのは、クラシックなアメリカコインや、アメリカ以外の主要国が発行したコイン、グレード付けされたコインセットなどです。
しかし一方で、現代のコインや発行枚数の多いものは相対的に過小評価されたままとなっています。
2025年現在最も求められているコインとは?
Great Southern Coinsが2025年現在、アメリカのコイン市場で最も求められている人気のコインは何なのかについて解説していきます。
- キーデイトのアメリカコイン
- メキシコの「リベルタード銀貨」のような外国のコイン
- NGCレジストリーで注目を集めるコイン
特殊な日付のアメリカコイン
発行されたコインの中でも、特殊な日付・発行年であるなどの理由で希少なコインを「キーデイト(Key Date)」と呼びます。
クラシックなキーデイトのアメリカコインは、古くから現在までコインコレクションの中心であり続けていると言えるでしょう。
たとえば、「1918/7-D バッファローニッケル」の状態の良いもの、19世紀のプルーフ版リバティヘッド金貨などは、最近のオークションで50万ドル超の価格で取引されています。
このような入手困難かつグレードの高いコイン、とりわけPCGSやNGCに「+」や「DCAM」といったプレミアムな評価をつけられたコインは着実な価格上昇が見られています。
人気外国コイン

引用元:メキシコ銀行
アメリカ以外の主要国が発行するコインも注目を集め続けています。
たとえば、メキシコの「リベルタード銀貨」のような現代コインは、関心が急上昇しています。
具体的には、2008年の1オンス銀リベルタードは発行数が比較的少なかったこともあり、最近提出数が急上昇中です。
また、シリーズの初年にあたる1982年のリベルタードも、収集家の間で新たな関心が集まっています。
ただし、こうしたニッチな市場のトレンドに遅れて飛び込むと、高値で購入してしまったもののすぐに市場の関心が薄れて損をするリスクもあるため、慎重になる必要があるでしょう。
NGCレジストリーの人気セット
NGCは、コインコレクターが所有しているコインを登録して紹介できる「NGCレジストリー」というオンラインプラットフォームを用意しています。
そしてそのNGCレジストリーの中で優秀だとされるものを、NGCは毎年表彰しています。
表彰されたレジストリーなどを見ることによって、現在のコレクターのトレンドを知ることが可能です。
例えば、「Golden Pandamania」と呼ばれるインゴットを分割して作られた中国のパンダ金貨で構成されたセットは、その品質と完成度の高さで評価を受けています。
他にも、オグララ・ラコタ・スー族による詳細なセットや、エルサルバドルなどの国のタイプセットなど、コイン収集のグローバルな広がりを反映したコレクションも高く評価されています。
最新のコイン人気トレンドについては、ぜひこちらの記事もご参照ください。
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これから来る!?今は過小評価されているコイン
それでは、Southern Coinsが考える、「価値があるにも関わらず過小評価されている」と見られるコインにはどのようなものがあるのでしょうか。
今は過小評価されているものは、今後もしかしてもっと需要が高まる可能性があるかもしれません。
- 現代のアメリカ流通コイン
- 発行枚数の多い地金型コイン
現代のアメリカ流通コイン
歴史的・文化的に重要であるにもかかわらず、「サカガウィアドル」や「大統領ドル」などのシリーズは、収集家の間で広く受け入れられているとは言えません。
これらのコインは、未使用に近い状態で入手でき、わずかなプレミアムで取引されるケースが非常に多く見られます。
現時点での注目度は低いですが、長期的な目でみると、今後見直される可能性は十分にあると言えるでしょう。
発行枚数の多い地金型コイン
発行数が多い年の地金型コインは、流通量が多いため、現在も割安なままです。
たとえば、1985年の1オンス銀リベルタードは200万枚以上が発行されており、デザインが美しく人気があるコイン。
しかし、需要に対して供給が多く、価格が上がりづらい状況にあります。
それでも、シリーズをコンプリートしたい人や、物理的な銀を保有したい収集家にとっては、低プレミアムで購入ができるため魅力的な存在となっています。
コイン市場全体の動向とは?
現在は、金をはじめ地金の価格高騰により、地金型コインの地金としての価値が上がるとともにコイン市場全体がコレクターからの注目度をあげています。
また、貿易政策をめぐる議論やドル安の影響で、実物資産への関心が高まっており、コイン市場に資金が流れる傾向にもあります。
しかし、アメリカにおける国際貿易政策(例えば、最近延期されたEU製品への50%の関税)により、アメリカのコイン市場は国外のコインの仕入れや送料に影響を及ぼす可能性が考えられるでしょう。
とくに、外国コインを頻繁に輸入するアメリカのコレクターやディーラーにとって、今後数か月間でその入手手段や価格に圧力がかかることが考えられるのです。
人気のアメリカコインについては、ぜひこちらの記事もご参照ください。
今人気のアメリカのアンティークコインおすすめのコインや専門点を徹底解説
Great Southern Coinsの見解
2025年現時点でのコインコレクターたちは、歴史的な意義があり、発行数が少なく、状態の良いコイン(特にPCGSやNGCなどによって鑑定されたもの)に強くひかれています。
一方で、過小評価されている分野には、成長の余地が残されています。
世界的なコインに視野を広げたり、あまり注目されていないシリーズに目をむけたりすることで多彩なチャンスが広がるでしょう。
注目されているジャンルが一部に集中しているときこそ、見過ごされたカテゴリに目を向けるべきタイミングかもしれません。
近い将来の市場のシフトを見越して、あえて逆張りするのも一つの戦略です。
レアコイン投資は短距離走ではなく、マラソンです!
免責事項:本記事の内容は情報提供を目的としており、金融または投資の助言を構成するものではありません。投資判断は、必ずご自身で専門家と相談のうえ行ってください。
監修者 葉山満
面白い見解ですが、あくまでもこれはコインを売買する機関であるGreat Southern Coinsの見解です。
免責事項にも書かれているように、まるごと鵜呑みにはせず、自分の知識や信頼できるディーラーさんと相談のもとコイン投資をしていきましょうね!
まとめ
今回は、アメリカのテキサス州に拠点を置く企業、Great Southern Coinsが2025年5月に発表した記事を元にアメリカでの現在のコイン市場の傾向について解説しました。
古くから現在に渡って発行数のすくない希少コインが人気であり、プレミア価格がつく傾向にあります。
また、地金価格の高騰により地金コインにも注目が集まっています。
しかし、現在そこまでプレミア価格のついていないコインにも目を向け、入手しやすいうちに購入しておくのも良いかもしれません。
価値の低いうちに入手したものの価格が上がっていくのを見守ることこそ、投資の醍醐味だからです。
しかし、今回の記事だけでなく、いろいろな情報に左右されることなくしっかりと自分の知識や信頼できるディーラー等の意見を元に慎重に投資することを忘れないでくださいね。
- コインコレクターはグレードが高く希少なコインを追い求めている
- 現在人気があるのはキーデイトのアメリカコインや、アメリカ以外の主要国のコイン、NGCのレジストリーの人気セットに含まれたコインなど
- 一方、現代のアメリカ流通コインや発行数の多い地金型コインは過小評価されがち
- 現在は地金の価格高騰や不安定な情勢によってコインは注目されつつあるが、アメリカの国際貿易政策が今後コレクターに悪い影響を与える可能性も