古くから芸術・文化の発信拠点として機能してきたイタリア。
そんなイタリアとアンティークコインとの関係はどのようなものなのでしょうか。
今回はイタリアにおけるアンティークコインの歴史や文化、さらにはコイン自体の特徴をチェックしていこうと思います。
目次
イタリアとアンティークコインの歴史
イタリアとアンティークコインの歴史を紐解いていきましょう。
イタリアにおけるアンティークコインの歴史はとにかく古いのが特徴です。
歴史の古さゆえに数々の名品が誕生してきました。
2600年前から続くアンティークコイン
アンティークコインとは100年以上前のお金のことです。
現在流通しているアンティークコインの多くは古くても3世紀~5世紀前までのものです。
しかし、アンティークコインの歴史はとても長く、2600年前の古代でも取引にお金が使われていたと記録されています。
古代ではギリシャ帝国、ペルシャ帝国、ローマ帝国でコインが広まっていきます。
国同士での争いが絶えなかった当時、国家の維持や戦力の維持に欠かせないものとして、コイン確保の動きが見られました。
ビットリオ・エマニュエル3世
お金と趣味を兼ね合わせたものとして、古代ローマ帝国の時代からアンティークコインの収集家は貴族や王侯を中心に多数存在していました。
中でも1900年-1946年前半にイタリア国王に在位したビットリオ・エマニュエル3世はコインのコレクターとして名を馳せました。
ビットリオ・エマニュエル3世について特筆すべき点は、コレクターや研究家としてだけでなく、コインを鋳造している人物であった点です。
当時エマニュエルが作成したコインには、現在でも高く評価されているコインが多数あります。
100リレ金貨
ビットリオ・エマニュエル3世が在位中に作ったコインで有名なのが100リレ金貨とリレ銀貨です。
リレ金貨ではサボイ家の紋章が入ったもの、ファシスト政権誕生1周年記念のものなど、1900年前半の世相を表したコインが現在でも名品として知られています。
また銀貨では、金貨と同様サボイ家紋章、クアドリガ(戦車)が描かれたものが有名です。
こうした名品が誕生したのはビットリオ・エマニュエル3世がコインの収集家で愛好家であったからに他なりません。
これらのコインは今でも高い評価を受けています。
イタリアのアンティークコインと投資性
次にイタリアのアンティークコインと投資性について考えて行こうと思います。
ビットリオ・エマニュエル3世の名品コイン、100リレ金貨を例に投資としての魅力を見ていきます。
100リレ金貨の希少性
1912年に誕生した100リレ金貨「豊穣の女神」。
このタイプは1912年発行のものがほとんどです。
そのほか1926年、1927年はそれぞれ数十枚づつ、1910年のものは今では存在していません。
このように発行枚数が限られているため、希少価値が高くなっています。
相場は最低100万円は超えます。
100リレ金貨以外の名品でも、希少性は高く、今後値上がりしていくことはあっても値下がりすることは考えられないでしょう。
デザインの美しさ
コイン愛好家であるビットリオ・エマニュエル3世が作成しただけあって、全体のセンスがずば抜けています。
額面、年号の美しさはもちろんですが、書体も洒落ていて全体のバランスが美しいのが特長です。
ビットリオ・エマニュエル3世が作成したアンティークコインは見た目が美しいと評判です。
コイン愛好家が好むデザインが実現されています。
100リレ金貨「豊穣の女神」だけでなく、ほかの100リレ金貨やリレ銀貨でも同様の美しさを見ることができます。
投資の魅力
希少性、デザインの良さ、さらには大型であることから投資にはピッタリのコインと言えるでしょう。
総発行枚数は約5000枚で国内相場は約120万円です。
まだまだこれから伸びるコインとの見方もあります。
不安材料も特にないことから、比較的低リスクで投資を行うことができます。
ビットリオ・エマニュエル3世が作成したコインはもちろん、他のイタリア製のコインには投資的魅力のあるアンティークコインが多数あります。
古代ローマ帝国の時代から続く歴史や伝統が、コインの価値に反映されていると言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回はイタリアのアンティークコインについて、特にビットリオ・エマニュエル3世の作品を中心に紹介しました。
古代から続く芸術・文化発信の地であるイタリアで生まれたコインには、芸術性の高いものが多く、アンティークコインとしての価値は高い傾向にあります。
ビットリオ・エマニュエル3世が鋳造した100リレ金貨はその象徴と言っても良いでしょう。
100リレ金貨や銀貨は希少性が高いことから投資的な価値も高くなっています。
アンティークコインの収集家であれば、イタリアのアンティークコイン購入を一度は考えてみたいものです。