近年、アンティークコインが富裕層から人気を集めています。
5年で10倍に値上がりするコインもあるので一攫千金狙いの投資であるかのように思えますが、実は真逆なのです。
多額の資産を持つ富裕層だからこそ、「資産を守りながら増やす、相続する」というニーズに最適なのが、アンティークコイン。
この記事では、富裕層がアンティークコインに投資をするべき理由や富裕層ならではの悩みについて解説していきます。
目次
アンティークコインが富裕層に人気の理由
アンティークコインのコレクターは投資に敏感な富裕層が多いです。
それは、資産を守りながらも成長させていきたい富裕層ならではのニーズがあるからですね。
富裕層はガツガツお金を稼ぐよりも既に持っている資産をリスクに晒さず、手堅く運用していきたい人が多いのです。
この項目では、アンティークコインへの投資が富裕層に人気な理由を3つ紹介します。
「投資」といっても株式やFXのようにお金を倍々で増やしていく投資とは異なり、アンティークコインならではの投資の特徴が富裕層に人気なのです。
- 安定した資産価値
- 時間とともに資産価値が上がる
- アンティークコインそのものの魅力
安定した資産価値
まず初めに、株式や債券などの金融資産について考えてみましょう。
富裕層もこれらの金融資産を非常に多く保有しているので、リーマンショックなどの金融危機があれば資産がみるみるうちに半減してしまいます。
富裕層の場合、「10億円を100億円に増やしたい」というより、「10億円を危険に晒さずに11億円にしたい」と考えます。
既に十分な資産があるので、安定した投資を行いたい人が多いのです。
金融資産は世界情勢や景気動向によって相場が大きく変動してしまうため、富裕層がすべての資産を投じるには向いていません。
そのため、アンティークコインへの投資が人気なのです。
アンティークコインは歴史的な価値が評価されて値段がつくものなので、現代の政治や経済の危機がコインの価値に影響しづらいです。
そのため、金融危機や戦争が起きても価値が下がりにくいのです。
資産の増減で生活やメンタルが被害を受けてしまう富裕層には、アンティークコインの投資が向いているのです。
時間とともに資産価値が上がる
前述のとおり、アンティークコインは価値が下がりにくいという特徴があります。
それだけでなく、むしろ、時間の経過とともに概ね相場が上がっていくのがアンティークコインの面白いところです。
概ね100年以上昔に使われていたコインをアンティークコインと言いますが、新たに鋳造することができないため、コインの数は増えません。
破損されたり紛失されたりして数が減ることはあるのですが、増えることはないため、コインの価値は時とともに上がっていくのです。
また、資産を子の世代、孫の世代、と受け継いで行くことにより、末代まで潤沢な資産を残すのが富裕層の相続です。
このように親から子供、子供から孫と資産を受け継ぐには、アンティークコインがぴったりなのです。
なぜなら、アンティークコインは徐々に価格が上がっていくものだから。
親の世代では少ししか価格が上がらなかったとしても、子供や孫の世代まで時間をかければかなりの値上がりを見込むことができます。
アンティークコインそのものの魅力
アンティークコインにはそのものの魅力があるので、富裕層に人気がある投資でもあります。
実は、すべてのアンティークコイン収集家が投資家というわけではなく、アンティークコインそのものが持つ歴史的な価値や美術的な価値に魅せられている人も多いのです。
好きだから集めている、という具合ですね。
アンティークコインは20万種類ほどあり、資産価値が高いものはそのうち200~300種類程度です。
中でも貴重な「ウナとライオン」というコインは発行枚数が400枚。
1839年にイギリスでヴィクトリア女王の即位を祝う記念コインとして発行されたもので、コインそのものとして美しいです。
このようにアンティークコインには1枚1枚に歴史があり、また外見も美しいので、投資目的でなくコレクションしている富裕層も多いです。
富裕層ならではの悩みとアンティークコイン
多額の資産を持っている富裕層ならではの悩みというものもありますよね。
相続税で多くの財産が失われることや、今後課される可能性がある「資産税」への不安など、お金があるからこその悩みに対しても、アンティークコインが効果を発揮することがあります。
富裕層の悩みとアンティークコインの役割を具体的に見ていきましょう。
相続時の節税効果が狙える
アンティークコインは相続税の節税にも有効な資産です。
なぜなら、「実勢価格」と「相続税評価額」に差がある場合が多いからです。
難しい言葉が出てきましたが、「実勢価格」とは実際にアンティークコインが取引されている価格のこと。
「相続税評価額」は相続税を計算するときのアンティークコインの評価額ですが、これらの価格の間には差があることが多いのです。
相続税評価額は実勢価格より低くなる傾向があるので、実勢価格で計算したときよりも、相続税は安くなります。
したがって、相続時の節税効果としてもアンティークコインはメリットが大きいのです。
通貨としての円への不安感
高度経済成長期やバブル期とは異なり、現在の日本は不景気の真っただ中。
さらに少子高齢化社会で働き手が減っていることも合わせれば、日本の経済成長はかなり苦しい展開と考えられますよね。
一方、諸外国を見てみるとアメリカはグーグルやアマゾンといった巨大な企業が経済を牽引していますし、中国などの新興国は著しい速度で発展している最中です。
このような国際情勢に照らすと、日本の通貨である「円」は将来にわたって価値を保ち続けられるか不安に感じられないでしょうか。
早々に円に見切りをつけ、米ドルで資産を保有する賢い富裕層も多いのです。
特に多くの資産を持っている富裕層にとって、円の価値が目減りしてしまうのは怖いですよね。
アンティークコインは価値が変動しにくいので、富裕層が資産を守るのに向いている投資先なのです。
『資産税』への不安
日本の消費税は10%に上がる見込みですし、税金ではありませんが年金の保険料や健康保険の保険料もどんどん上がっています。
少子高齢化社会で働き手が少なく、財源が少ないためですね。
増税の延長に「資産税」が検討されているのをご存知でしょうか。
多くの資産を持っている人に課税するというもので、タンス預金や隠し財産からも税金を徴収しよう、というものです。
資産を持っているだけで課税されるのは不公平な感じもしますが、もし「資産税」が実現してしまったら富裕層にとっては大変な問題です。
そもそも資産税が導入されるかは分かりませんが、最悪の事態に備えるためにも、現金でなくアンティークコインで資産を持っておきたいという方も多いです。
まとめ
アンティークコインが富裕層に人気の理由を紹介してきました。
安定した投資ができること、時間とともに価値があがることなど、既にお金を沢山持っている富裕層の投資に向いているものであることが伝わりましたでしょうか。
また、相続税の節税や円への不安、さらに資産税への不安など富裕層ならではのお金の悩みもありますよね。
これらの悩みにもアンティークコインが有効なのです。