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そもそもスラブとは
鑑定されたコインは開封防止使用となっている「スラブケース」に納められます。
このケースにはコインの識別番号、年号、発行国、通貨単位、グレーディングが記されます。
ホログラムやバーコード、透かしなどは不正防止に有効です。
鑑定機関もさまざまな会社がありますがいくつか代表的な例を挙げてみたいと思います。
現在の日本円にも採用されており、1万円札と5000円札に使われています。
【PCGS社】
PCGS(Professional Coin Grading Service)は、カリフォルニアを拠点とするコレクターズ・ユニバース(Collectors Universe, Inc.)(NASDAQ: CLCT)の一部門です。
香港に本社と鑑定オフィスもある、歴史があり、かつ信頼度の高い鑑定会社です。
1948年にグレーディングのシェルドンスケールが紹介された後でも、依然として、貨幣収集家にとって世界共通の基準を取り決める必要がありました。
1986年にPCGSが設立され、稀少コイン収集家にとって信頼できる対策を打ち出すことで、標準化に関しての問題は解決されていました。
PCGS社は、消費者がコイン市場に自信を持って参加できる環境を作り出すことによって、コイングレーディング業界に革新をもたらしたと言えます。
【NGC社】
NGC社(Numismatic Guaranty Corporation)は、PCGS社と同様に信頼できる鑑定会社です。
NGC社(貨幣保証会社)は、世界一流の最大のサードパーティ等級付け会社で、2,800万以上のコインを等級付けしてきました。
過去27年以上にわたり、米国の国立博物館であるスミソニアン博物館、および上海のミントミュージアムからのコインを含む、世界で最も重要なコインとコレクションを多数等級付けしてきました。
専門家による等級付けと認証サービスに加えて、NGCはウェブサイトでコレクターに価値あるもの提供する会社です。
【CAC社】
自らの会社もコイン保持を行っている会社で日本での知名度は低いです。
中国などアジアのコインに強い台湾の鑑定会社で日本に近い為に、鑑定料がアメリカより割安になっています。
一部のコインケースは評価シールに漢字を採用する為に馴染みやすいといえます。
スラブの歴史
「スラブ」にもコインと同じく歴史があります。
2大鑑定会社PCGS社・NCGS社のスラブを例にあげてみるとPCGS社は現在までに約60回程・NGC社は約118回改良を重ねています。
これは、偽造防止やコインの保全を考えて重ねられた改良です。
PCGS社は1985年発足、NGC社は1987年発足ですので、スラブの改良頻度がよくわかりますね。
そして、このスラブから得られる情報の中でもグレードランク、特別表記についてについてお伝えしましょう。
まず、コインは大きく分けて2種類に分類されます。
- 投資型(プループ・PF)
- 流通型(ミントステイト・MS)
鑑定は70段階で行いそのグレードランクと特別表記が記載されます。
投資に向いているのは一般に65以上のコインとされています。
基本的な価値としては。PF>MSになります。
ULTRACAMEO(ウルトラカメオ)
NGC社のプルーフコインの最上級グレードです。
コインの型で最初に鋳造された貨幣です。
形は約20枚ごとに取り替えられるので、発行枚数/20枚しかありません。
粉を吹いた白さを持ち、ミラー部分は鏡のよう輝きを持ちます。
DEEP CAMEO. HEAVY CAMEO, CAMEO(ディープカメオ.ベビーカメオ,カメオ)
PCGS社のプルーフコインの最上級グレードです。
2~5番目に鋳造された貨幣です。
鑑定会社により表現が異なっています。
ウルトラカメオほどの白さはありませんが、部分的に白さが残るものになりミラー部分はウルトラカメオほどの輝きはありません。
FlRST STRIKE. EARLY RELEASE(ファーストストライク.アーリーリリース)
発行年度の初回出荷のコインで、通常コインより値上がりがしやすです。
PROOF(PF/PR/PRF)
鑑定会社により表記が異なります。鋳造時の白さはなく全体的にミラー状態となっています。
PF70 ULTRA CAMEO(究極の最強グレード)
事実上この評価が最高級です。
傷も曇りも全くなく、投資用に一番最初に鋳造された究極の最強グレードになります。
流通型ではMS70が最強グレードです。
PF62 ULTRA CAMEO
上記のコインがあったとすると、投資型コインで1番目に鋳造された貴重なものですが、鑑定時の状態は62と未使用ものとしては、ほどほどの状態(上の下)を示します。
発行国(ミントマーク・造幣局)
年号に続けてよく表示されています。
よく見ると刻印されていますがないものもあります。
欧米などではミントマークが入っている場合が多く、ミントマークの表記はギリシア紀ころから始まったとも言われています。
このように「スラブ」には、色々な情報が敷き詰められています。
一枚一枚手にとってそのコインがどこから来たものなのか。
コインの歴史が読み取れます。