アンティークコイン市場は年々拡大しています。
なぜなら、インターネットが発達したことで、貴族階級ではない一般市民も手が出せるようになったからです。
また、資産防衛や投資としての価値にも注目され、今後も伸びる見込みです。
この記事ではなぜ、アンティークコインは資産防衛や投資としての価値が高いのか、今後はどうなるのかについて解説します。
なぜ、アンティークコインが注目されているのか知りたい方、必見です。
- アンティークコイン市場は資産防衛や投資の価値に気づいた人によって拡大している
- 中国人投資家の参戦はアンティークコイン市場拡大に影響が出ている
- 今後もアンティークコインの市場規模は拡大する
税金や経済状況に強いアンティークコイン投資。おすすめ金貨や節税ポイントを徹底解説
目次
アンティークコインとは?基本情報を解説
アンティークコインは紀元前から18世紀に作られたコインのことを言います。
世界中に20万~30万種類あるとされ、高価なものは300種類前後と言われています。
高価になる理由は大きく分けて2つあり、流通量が少ないこと、歴史的価値が高いことの2つが挙げられます。
- 流通量が少ない
- 歴史的価値が高い
アンティークコインについてもっと知りたい人は、この記事を読んでみてください。
この記事はアンティークコインに関してよくわからない人に向けた情報が書いてあります。
アンティークコインとは?投資、転売に向いている理由を徹底解説
流通量が少ない
発行枚数や流通量が少ないアンティークコインの例として、試鋳貨幣があります。
出展:コインパレス
クラウン試鋳銀貨は、アンティークコイン市場拡大とともに、一気に価値を上げました。
昔は800万円前後で取引されていましたが、現在では1500万円前後で取引されています。
一般流通する前に作られるため、全体的に発行枚数が少なく、相場も高くなりがちです。
アンティークコイン市場が拡大していると判断できる根拠の一つは、こういった元から相場が高いアンティークコインが、一斉に価格を上げたからという点です。
今後も試鋳貨幣に注目です。
ほとんど消えたアンティークコインの代表例はウルトラハイレリーフ ダブルイーグル20ドル金貨です。
出展:コインパレス
一度発行されたが、世界恐慌の影響を受けてしまい、流通していたほぼすべての金貨が溶かされ、金になってしまいました。
そのため、現在では200万円、状態が良ければ1000万円以上で取引されています。
歴史的価値が高い
歴史的価値が高いこともポイントの1つです。
何かを記念して作られたものや、大昔に作られたものが代表的です。
出展:コインパレス
古代リディアで発行された獅子と太陽エレクトラム金貨は、世界で一番最初に作られた金貨と言われています。
鋳造技術でけでなく、お金をきれいに円形にする技術もない時代に発行されていたため、どうしても歪でひびわれているものがほとんどです。
ほとんどの状態が悪いため、約100万円前後で取引されていますが、根強い人気があります。
アンティークコインが投資や資産防衛におすすめな理由
アンティークコインに投資や資産防衛としての価値があるのでしょうか。
結論から言うとにはアンティークコインに投資や資産防衛としての価値があります。
その理由はランニングコストがかからない、需要に供給が追い付かない、競合が少ないの3つです。
それぞれの理由について順番に解説します。
- ランニングコストがかからない
- 需要に供給が追い付かない
- 競合が少ない
ランニングコスト(維持費)がかからない
ランニングコストとは「何かを維持するために払い続ける必要のある費用」のことを言います。
例えば、人件費や家賃、修理費用、メンテナンス費、税金がランニングコストです。
出典:コインパレス
このグラフはイギリスのナイトフランク社が発表した過去10年のデータをもとにした資産価値の上昇率を表したものです。
実はアンティークコインの上昇率は金、クラシックカーに次ぐ3番目に上昇しています。
ここで注目してほしいことはクラシックカーとの比較です。
確かにクラシックカーは395%の上昇率ですが、ランニングコストを無視できません。
例えば、マセラティギブリカップ2500ccというクラシックカーの所有者に対して、58,600円の自動車税を請求されたという事例があります。
その他にもメンテナンス費や燃費なども計算すると1年で約25万円のランキングコストになります。
つまり、いくら上昇率はよくても、10年で250万円以上支払っている計算になります。
対してアンティークコインに維持費やメンテナンス費、税金はありません。
そのため、一度購入したら、余計なお金を支払う必要がない現物資産として、注目されています。
需要に供給が追い付かない
アンティークコインは一般的に紀元前から18世紀くらいまでに作られた硬貨のことを言います。
そのため、いくら人気になっても二度と生産されることはありません。
中にはレプリカとして生産、販売される場合もありますが相場や価値の観点からしても本物よりも安いです。
出典:コインパレス
例えば2019年に販売されたウナ&ライオン5ポンド銀貨がいい例でしょう。
1839年に販売されたウナ&ライオン5ポンド金貨は約5000万円前後、状態によっては1億円以上で取引されています。
対して2019年に販売されたウナ&ライオン5ポンド銀貨は200万円前後で取引されています。
様々な理由で需要が増加し、相場が高騰しても、供給されないことから、一度相場が上がるとなかなか下がらないことがアンティークコインの特徴です。
大暴落する可能性が極めて少ない
アンティークコインの価値が大暴落する可能性は極めて少ないと言えます。
その根拠は約12年前に起きたリーマンショックにあります。
出典:ユニバーサルコイン
上記のグラフは金などの資産価値の増減を表したグラフです。
赤い四角に注目してください。
金、不動産、株と比較したときに、アンティークコインだけは一度も後退することなく成長しました。
このことがアンティークコインに資産防衛としての価値があることの決定的な証拠になりました。
FTSE100種総合株価指数とは、ロンドン証券取引所における株価指数の一つで、ロンドン証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位100銘柄で構成される、時価総額加重平均型株価指数のことを指します。
アンティークコイン市場が拡大する理由、今後も伸びるのか
ここまでの章で、直近でアンティークコインが注目され、日々市場が拡大しているということについて解説してきました。
このアンティークコインブームは今後も続くといえるでしょう。
その理由は現時点で中国の投資家が本格的に参戦していること、税金に対して非常に強いこと、実物資産の強みが今後も生かされることの3点が挙げられます。
- 中国の投資家が本格的に参戦している
- 税金に対して非常に強い
- 実物資産の強みが今後も生かされる
中国の投資家が本格的に参戦している
2020年はアンティークコインが成長した1年と言えますが、そのきっかけになった要因の一つに中国の投資家が参戦したことです。
近年、中国の投資家が骨董品や絵画、彫刻を高値で競り落としていることはご存じですか?
急成長した中国人投資家がFXや投資に限らず、現物資産としてこれらに投資しており、アンティークコイン業界にも影響が出始めています。
この流れを感じ取った株式会社ユニバーサルコインズでは、2017年11月に香港法人を設立し、翌年2月には現地オフィスを構えて営業を開始しました。
また、世界中のアンティークコイン専門店が香港に進出してきています。
こうした流れから、今後も中国の投資家による本格的な参戦が期待できます。
中国人投資家の参戦によって、インターネットオークションも盛んになっています。
それらから得た数字によるとアンティークコインの市場規模は、国内では150億円、アメリカでは6500億円、世界全体では1兆円に達すると予測されています。
税金に対して非常に強い
日本の税金は外国と比べると高く、様々なものに税金がかかります。
例えばクラシックカーでは自動車税、ワインやウイスキーには酒税がかかります。
それに対してアンティークコインにかかる税金は消費税のみ。
しかも、購入場所や保管場所を工夫すれば簡単に節税できます。
例えば消費税がない香港でアンティークコインを購入すること。
日本の消費税を10%とすると、1枚500万円のアンティークコインでも日本で購入する場合の費用は550万円なのに対し、香港では500万円で購入できます。
一番良い方法は香港で購入して香港で保管することです。
注意したいことは香港で購入したアンティークコインを日本に持ち帰ると税金がかかるということです。
しかし、その場合でも香港で購入すべきです。
消費税法によると、個人輸入した場合の税金価格は購入価格の6割に当たります。
そのため消費税額は30万円です。以下はその計算式です。
「商品の代金 × 消費税法に基づく税金価格 × 日本の消費税」
500,0000×60%×10%=30,0000
こうしたテクニックを利用することで、税金対策を簡単に行うことができます。
実物資産の強みが今後も生かされること
実物資産の強みはご存じですか?
実物資産の強みは金融危機や経済的な影響を受けにくいことにあります。
例えば今現在、「円」は世界的に高く信頼されていますが、この状況がいつまでも続くとは限りません。
ヨーロッパがEUになり、様々な通貨が「ユーロ」になったように、日本もアメリカと手を組んで通貨を「ドル」にする可能性も否定できません。
こうした影響を実物資産はほとんど受けません。
また、新型コロナウイルスによって、世界的に経済が滞ってた場合も、企業の倒産や通貨の暴落を心配する必要が全くありません。
安定志向の人に対して、今後も着実に市場を拡大することでしょう。
市場の拡大の指標となるアンティークコイン
アンティークコイン業界において、市場が拡大していることの根拠になるアンティークコインがあります。
今回はその中でも3枚のアンティークコインを紹介します。
これらのアンティークコインに共通することは有名で人気があることです。
- 1839年 ウナ&ライオン5ポンド金貨
- 2009年 ウルトラハイレリーフ ダブルイーグル 20ドル金貨
- 1839年 ウナ&ライオン5ポンド金貨
1839年 ウナ&ライオン5ポンド金貨
出展:コインパレス
ウナ&ライオン5ポンド金貨は、アンティークコインの中では一番有名なコインと言っても過言ではありません。
多くの人々から「世界一美しいアンティークコイン」と言われ、現在では1500万円以上で取引されています。
近年、アンティークコイン市場が拡大したと言われている理由は、このアンティークコインの価値の上昇にあります。
出展:コインパレス
2019年1月時点では約800万円で取引されていいたのに対し、価値が急上昇し、半年で1200万円前後で取引されるようになりました。
これには様々な理由がありますが、やはり市場の拡大が原因の一つでしょう。
直近のオークションでも1025万円で落札されています。
出典:日本コインオークション
2009年 ウルトラハイレリーフ ダブルイーグル 20ドル金貨
出典:コインパレス
アメリカで発行されたアンティークコインです。
このアンティークコインが有名な理由は歴史的背景にあります。
世界恐慌発生以降、金本位制を採用している当時のアメリカは金を集めるために金貨を溶かしていました。
また、大統領命令6102号によって、多くの金貨が紙幣になったことで、ダブルイーグル20ドル金貨は市場から姿を消しました。
現在ではその歴史的背景と流通量のなさが注目され、200万円前後で取引されています。
このアンティークコインもウナ&ライオン5ポンド金貨と同様にアンティークコイン市場拡大とともに注目されました。
直近のオークションでも高値で落札されています。
出典:日本コインオークション
世界恐慌の影響はまだ残っているとし、個人、団体、企業による金証券、金貨、金地金の保有を禁止した。
故意に違反した場合は、1万ドル以下の罰金、もしくは5年以上10年以下の禁固刑を科せられる。
1910年 ジョージ5世クラウン試鋳貨
出展:コインパレス
試鋳貨のように、市場に流通していない貨幣の人気は高いです。
特にクラウン試鋳銀貨の人気は高いです。
クラウン銀貨が300万円で取引されているのに対し、クラウン試鋳銀貨は1500万円で取引されています。
アンティークコイン市場まとめ
この記事ではアンティークコインの市場が拡大していることと、その理由を紹介しました。
皆さんはアンティークコインが資産防衛や投資に対して効果的だということがわかったと思います。
それではまとめます。
- アンティークコイン市場は資産防衛や投資の価値に気づいた人によって拡大している
- 中国人投資家の参戦はアンティークコイン市場拡大に影響が出ている
- 今後もアンティークコインの市場規模は拡大する