最近投資として人気のあるアンティークコインの種類が何種類あるのか気になりませんか?
この記事ではアンティークコインの種類と値上がりするアンティークコインの特徴を紹介します。
是非この記事を活用して、アンティークコインに対する理解や知見を深めましょう。
- アンティークコインは古代コイン、アンティークコイン、モダンコインなど大きく6つの種類に分かれている
- アンティークコインは需要はあるのに供給が限られているため、投資に向いてる
- アンティークコインの価値が上がる要因は状態や歴史的価値など、3つある
目次
アンティークコインとは?基本情報を解説!
アンティークコインは一般的に紀元後から18世紀くらいまでに作られた硬貨のことを言います。
紀元前に作られたものや映画をモチーフにしたもの、限定発行されたコインなど多くの種類のコインがあり、その数はおよそ200,000種以上もあります。
その中でもウナ&ライオン5ポンド金貨を代表とする、数枚のアンティークコインは希少性が高く、かつデザインも人気なので1億円以上で取引されているものもあります。
出典:コインパレス
アンティークコインの種類や数はどのくらい?
世界中に存在するアンティークコイン。その数は20万種以上にも及びます。
ここではアンティークコインを大きく分けて6つに分類し、それぞれの特徴を解説します。
- 古代コイン
- アンティークコイン
- モダンコイン
- 試鋳貨幣
- クラウンコイン
- 地金型金貨
古代コイン
紀元前に発行されたアンティークコインのことを言います。
多くのアンティークコインは15世紀以降のものがほとんどですが、中には紀元前に発行されたとても昔の古代コインも残っています。
古代コインの特徴はヒビが入っていたり、いびつな形であることです。
鋳造技術や発行技術がない時代、それこそ職人が1つ1つ手で作っていた時代のコインなので、綺麗な円形をしていません。
そのため、1つ1つ形が違うこともあり、そこに魅力を感じる人がいます。
獅子と太陽 1/3スターテルエレクトラム金貨
出典:コインパレス
「獅子と太陽 1/3スターテルエレクトラム金貨」は古代コインの中でも特に有名なコインです。
世界で初めてコインを導入したとされているリディア王国(現トルコ共和国)発祥とされています。
コインには獅子と太陽が描かれており、人気のあるコインです。
約2600年前のコインであるため、形もいびつで、厚さも均等ではありませんが、コインによっては数千万円の価格で取引されるほど価値があるとされています。
このように、古代コインは他のアンティークコインと比べてもかなり特殊なコインで、その希少性・デザインによって熱狂的なファンを獲得しているコインといえるでしょう。
アンティークコイン
アンティークコインとは今から100年以上前に作成された外国製のコインのことを言い、現在アンティークコインとして取引されているコインのほとんどがアンティークコインに該当します。
その種類は世界中で20万種類ほどと言われており、その価値の高さや種類の多さ、取引のしやすさから多くのコレクターや投資家からの人気を集めています。
ウナ&ライオン5ポンド金貨
出典:コインパレス
「ウナ&ライオン5ポンド金貨」は世界で一番美しいとされるアンティークコインです。
18世紀中頃のイギリス産業革命の時代、ヴィクトリア女王の即位3年目を祝して製造されたと言われています。
コインには、若干18歳のヴィクトリア女王の肖像が刻印されており、そのコインの美しさからアンティークコイン史上の最高傑作とされています。
現代のオークションでは1億円以上の値がつけられることもあり、アンティークコインを知る上では避けて通ることのできない名作と言えるでしょう。
アン女王 5ギニー金貨
出典:コインパレス
「アン女王 5ギニー金貨」はイギリスのジェームズ2世の次女として生まれたステュアート朝最後の君主であるアン女王の肖像を刻印したアンティークコインです。
コインの裏面にはイングランド王国を象徴するライオンの紋章、スコットランド王国を象徴するライオンの紋章、アイルランドを象徴するハーブの紋章、フランス王家を象徴するユリの紋章が刻印されています。
現在、最高グレードのもので1億円以上の値段で取引されるほど価値の高いコインとされています。
ウィリアム&メアリー 5ギニー金貨
出典:コインパレス
「ウィリアム&メアリー 5ギニー金貨」はイギリスのジェームズ2世の長女であるメアリー2世と、その夫であるオランダ総督のウィリアム3世の肖像画が刻印されたアンティークコインです。
コインにはメアリー2世の肖像とウィリアム3世の肖像画が並ぶ形で刻印されています。
2人の人物が横並びで刻印されるデザインは「ダブルコーポレート」と呼ばれており、アンティークコインのデザインにはあまり用いられない珍しいデザインとなっています。
現在、1億円弱の値段で取引されており、とても価値の高いアンティークコインとされています。
モダンコイン
モダンコインは、コインの製造からまだ時間が経っていない現代のコインのことを言います。
アンティークコインとモダンコインの間に明確な基準はありませんが、おおよそ50年前以前に製造されたものがアンティークコイン、それ以降に製造されたものがモダンコインと称されています。
モダンコインとして取引されるものの多くがイギリスの金貨・銀貨であり、以下で紹介するモダンコインもイギリスのコインです。
現代では、国王や勲章といったデザインだけではなく、動物や映画といったものを題材にしたコインが登場し、多くのコレクターの人気を集めています。
エリザベス2世 ジェームズ・ボンド「007」1000ポンド金貨
出典:コインパレス
「エリザベス2世 ジェームズ・ボンド 007」1000ポンド金貨はスパイ映画の金字塔「007」シリーズのコインです。
今年、ロイヤルミントから主人公の活躍を称え、「2020 007 SPECIAL ISSUE +」がリリースされました。
発行枚数は20枚と極めて少なく、かつ重さも1kgとロイヤルミント史上最重量級のコインであるため、現在は2000万円と高額な値で取引されています。
これはイギリスのポンド硬貨の製造や、造幣、鋳造を許された唯一の機関です。
イギリスの硬貨の他に、英国軍のメダルや騎士団の勲章、コレクター向けのアンティークコインも手がけています。
エリザベス2世 クイーンズビースト 英国王室の十大守護獣 10000ポンドプルーフ金貨
出典:コインパレス
「エリザベス2世 クイーンズビースト 英国王室の十大守護獣 10,000ポンドプルーフ金貨」は、英国のエリザベス2世のモダンコインシリーズ「クイーンズビーストシリーズ」の10種類の野獣が一枚のコインに描かれた特別なコインです。
通常のビーストシリーズは英国のシンボルとされる10種類の野獣がテーマとなっており、表面にはエリザベス2世の肖像が、裏面には10種類の野獣がそれぞれ描かれています。
本来別々に刻印される10の野獣が同時に刻印されていることからもわかるように、シリーズの中でも特別な一枚となっており、取引価格も1億5,000万円ととても高額で取引されています。
クラウンコイン
クラウンコインはイギリスの旧貨幣制度に基づいたコインのことを言い、1971年に十進法を取り入れた現在のイギリスの通貨制度になるまで流通していました。
クラウンコインの歴史はエドワード6世の時代の1551年まで遡りますが、当時発行されたクラウンコインは一つ一つハンマーで手作りされたハンマーコインと呼ばれるものでした。
その後、1658年に発行されたオリバー・クロムウェルの肖像を描いたコインが現在のような本格的なコインとしては最初のものとされています。
クラウンコインは多くの種類があり、かつデザインの人気が高いため、世界中に熱狂的なファンが存在します。
エドワード6世 ハーフクラウン銀貨
出典:GALLERIA
「エドワード6世 ハーフクラウン銀貨」はクラウンコインが初めて製造された1551年に製造されたクラウンコインです。
前述したように、この頃のコインはハンマーで手作りされたコインであるため、形やデザインが少しいびつなのが特徴です。
オリバー・クロムウェル ハーフクラウン銀貨
出典:アンティークコインワールド
「オリバー・クロムウェル ハーフクラウン銀貨」は、クラウンコインがハンマーではなく現在のような製法で作られるようになった1658年に製造されたコインです。
「エドワード6世 ハーフクラウン銀貨」とは違い、コインの形やデザインが整っているのが分かるかと思います。
オリバー・クロムウェル ハーフクラウン銀貨は現在100万円ほどの価格で取引されています。
ジョージ5世 クラウン銀貨
出典:コインパレス
「ジョージ5世 クラウン銀貨」はイギリス国王ジョージ5世の治世に発行されたクラウンコインです。
ジョージ5世は1911年イギリス国王に即位し、1936年に病気で亡くなるまでイギリス国王を務めました。
このコインはジョージ5世の没年の前年度に製造されたもので、300万円ほどの価格で取引されています。
試鋳貨幣
試鋳貨幣とは、市場や世の中に出回る前に、テストとしてデザインやサイズなどをチェックするために発行される貨幣のことを言います。
多くの場合、世に出回ること滅多にありません。
そのため、他のアンティークコインと比べて流通量が少なく、同じアンティークコインでも試鋳貨幣というだけで価値が2倍以上になることが多く、中には5倍以上になるものもあります。
ジョージ5世 クラウン試鋳貨幣
出典:コインパレス
「ジョージ5世 クラウン試鋳貨幣」はは試鋳貨幣のなかでも、とても人気のあるアンティークコインの一つです。
コインパレスでは、現在1,500万円で取引されています。
一般に流通していた「ジョージ5世 クラウン銀貨」が300万円で取引されていることを考えると、試鋳貨幣がどれだけの価値の高さなのかがわかります。
ヴィクトリア クラウン試鋳金貨
出典:コインパレス
「ヴィクトリア クラウン試鋳金貨」は1837年に即位し、産業革命期のイギリスを支えるなど数々の功績を残したヴィクトリア女王の功績を讃えるために製造されたコインです。
表面には、ヴィクトリア女王の勇ましい肖像が刻印されており、ヴィクトリア女王の威厳が示された一枚になっています。
現在、1億円以上の値段で取引されていることからもわかるように、とても価値のあるコインとされています。
チャールズ2世 クラウン試鋳金貨
出典:コインパレス
「チャールズ2世 クラウン試鋳金貨」は、父であるチャールズ1世が清教徒革命により処刑され、国外逃亡を余儀なくされるなど激動の半生を過ごしたチャールズ2世の肖像が刻印されたコインです。
このコインは、クラウン試鋳金貨が初めて製造された翌年に製造されたもので、現在1億5000万円ほどの値段で取引されるほど高い価値がつけられています。
地金型金貨
地金型金貨は、簡単に言えば金地金(金塊のように金をある形に固めたもの)をコインの形にしたものです。
前述した「エリザベス2世 ジェームズ・ボンド 007」のような記念硬貨が金の時価総額よりはるかに高い値段で取引されるのに対して、地金型金貨は金地金の時価総額より少しだけ高い値段で取引されます。(金地金に上乗せした金額はプレミアムと呼ばれる)
一般的な硬貨のように所定の金額が表示されていますが、実際の価格は金に基づくため、表示されている金額より高い値段で取引されます。
例えば、100ユーロと記載された地金型金貨は金の価格に基づいて額面の10倍ほどの10000ユーロ程の価格で取引されます。
クルーガーランド金貨
出典:野口コイン
「クルーガーランド金貨」は南アフリカ共和国で製造されている地金型金貨で、1892年から1900年の間に製造されていた1ポンド硬貨を模倣したデザインが採用されています。
表面には、現在の南アフリカに1902年まで存在していたトランスヴァール共和国の元大統領であるポール・クルーガーの肖像が刻印されており、裏面には南アフリカに生息しているウシ科の動物のスプリングボックが刻印されています。
地金型金貨の先駆けと言える金貨であり、一時期日本でも流行しましたが、白人政権のアパルトヘイトに対する抗議の風潮が高まっていくにつれて、日本を含めた各国でクルーガーランド金貨の販売は自粛されるようになりました。
その後、南アフリカに黒人政権が成立してからは、限定品としてわずかに販売・取引されています。
22金1オンスのクルーガーランド金貨は現在20万円ほどの価格で取引されています。
メイプルリーフ金貨
出典:野口コイン
「メイプルリーフ金貨」はイギリスで製造されている地金型金貨で、1979年に製造が開始されてから今まで、毎年販売されています。
表面には、現在のイギリス女王であるエリザベス2世の肖像が刻印されており、裏面にはメープルシロップの原材料であるサトウカエデのデザインが刻印されています。
「メイプルリーフ金貨」が発行されるより前は、地金型金貨の先駆けである「クルーガーランド金貨」が地金型金貨の市場を握っていましたが、アパルトヘイトへの抗議運動の一つである南アフリカ製品の不買運動が行われると、地金型金貨市場の主導権は「メイプルリーフ金貨」へと移っていきました。
現在も人気は衰えず、世界一の流通量を誇っています。
22金1オンスのメイプルリーフ金貨は現在20万円ほどの価格で取引されています。
パンダ金貨
出典:野口コイン
「パンダ金貨」は中国で製造されている地金型金貨で、1982年に製造が開始されてから今まで、毎年販売されています。
表面には、中国を代表するジャイアントパンダのデザインが刻印されており、裏面には北京に位置するユネスコ文化遺産の北京天壇のデザインが刻印されています。
ジャイアントパンダのデザインは毎年変更されているため、年によってはコレクターの間で高い価格で取引されることもあり、人気の地金型金貨となっています。
24金1オンスのパンダ金貨は現在21万円ほどの価格で取引されています。
カンガルー金貨
出典:野口コイン
「カンガルー金貨」はオーストラリアで製造されている地金型金貨で、1986年に製造が開始されてから今まで、毎年販売されています。
表面には、現在のイギリス女王であるエリザベス2世の肖像が刻印されており、裏面にはオーストラリアを代表するカンガルーのデザインが刻印されています。
1986年~1989年までの間はカンガルーのデザインではなく、ナゲット(天然で生成される貴金属の塊)のデザインが刻印されていたため、ナゲット金貨とも呼ばれます。
出典:骨董品買取の福助
日本ではメイプルリーフ金貨などと並んで「世界三大金貨」とも称されるほど人気の高いコインです。
24金1オンスのカンガルー金貨は現在21万円ほどの価格で取引されています。
イーグル金貨
出典:野口コイン
「イーグル金貨」はアメリカで製造されている地金型金貨で、1986年に製造が開始されてから今まで、毎年販売されています。
「イーグル金貨」という呼称は、1933年までに発行されていた10ドル金貨の名称でしたが、現在は1986年から発行されている地金金貨を指すときに用いられています。
表面には、連邦議事堂の前にそびえ立つ自由の女神のデザインが刻印されており、裏面には北アメリカの固有種であり、アメリカの国鳥として象徴的なハクトウワシのデザインが刻印されています。
22金1オンスのイーグル金貨は現在20万円ほどの価格で取引されています。
ブリタニア金貨
出典:野口コイン
「ブリタニア金貨」はイギリスで製造されている地金型金貨で、1987年に製造が開始されてから今まで、毎年販売されています。
ブリタニア金貨は1987年から金貨、1997年からは銀貨、2018年からはプラチナコインの発行がされています。
表面には、イギリス女王のエリザベス2世の肖像が刻印されており、裏面にはイギリスを擬人化したとされるブリタニアの女神のデザインが刻印されています。
22金1オンスのブリタニア金貨は現在20万円ほどの価格で取引されています。
ウィーン金貨
出典:野口コイン
「ウィーン金貨」はオーストリアで製造されている地金型金貨で、1989年に製造が開始されてから今まで、毎年販売されています。
コインのデザインは「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」をテーマにしたもので、表面にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地にあるパイプオルガンのデザインが刻印されており、裏面にはバイオリンやビオラなど6つの管弦楽器のデザインが刻印されています。
正式名称が「ウィーン金貨ハーモニー」であるため、ハーモニー金貨と呼ばれることもあり、音楽に彩られた地金型金貨として多くの人気を集めています。
24金1オンスのウィーン金貨は現在21万円ほどの価格で取引されています。
バッファロー金貨
出典:野口コイン
「バッファロー金貨」はアメリカで製造されている地金型金貨で、2006年にアメリカで初めて製造された24Kの地金型金貨です。
表面にはネイティブアメリカンの部族の象徴的な男性の肖像が刻印されており、裏面にはアメリカバイソンのデザインが刻印されています。
24金1オンスのバッファロー金貨は現在21万円ほどの価格で取引されています。
アンティークコインが投資に向いている理由を徹底解説
アンティークコインの種類に関して説明しましたが、アンティークコインは投資に向いているのか、疑問に思う人もいるでしょう。
結論から申し上げるとアンティークコイン投資は「ある程度資産を持っていて、長期にわたって管理できる人」に対しておすすめです。
この章では、アンティークコインが投資に向いている3つの理由をお話します。
- アンティークコインは減ることはあっても増えることはない
- 世界中にアンティークコイン収集家がいる
- アンティークコイン投資や転売は競合が少ない
アンティークコイン投資に関しては以下の記事でより詳しく解説しています。
税金や経済状況に強いアンティークコイン投資。おすすめ金貨や節税ポイントを徹底解説
アンティークコインは減ることはあっても増えることはない
アンティークコインの性質上、火災や紛失によって減ることはあっても、増えることはありません。
それはいくら需要が高まっても供給されないことを意味します。
そのため、一度需要が高くなると一気に値上がりして、その価格帯を長期に渡って維持する傾向があります。
出展:コインパレス
この画像は2019年のウナ&ライオン金貨の価格推移になります。
最初は500万円だったコインが3倍以上の1500万円で取引されていたことがわかります。
このように、ある時を境に一気に値段が上がり、暴落することなく、その価格帯を維持する傾向が見て取れます。
世界中にアンティークコイン収集家がいる
アンティークコインに目をつけている富裕層は日本だけではなく、世界中に存在します。
そのため、海外のオークションサイトでは、アンティークコインのオークションがよく行われています。
これは日本で流行が終わってしまっても、需要が無くなることはないことを意味しています。
そのため、気軽に参入しても安心して取引をすることができます。
アンティークコイン投資や転売は競合が少ない
せどりや転売は多くの人が気軽に参加できるため、競合が多いです。
しかし、アンティークコインは専門の知識や語学能力が必要があり、参入障壁は転売に比べると高いです。
自分の好きなアンティークコインを買うだけなら問題ないですが、資産運用や投資目的でアンティークコインを購入する場合は要チェックです。
特にアンティークコインの価値が高くなる要因は理解する必要があります。
この記事でも解説するので、是非参考にしてください。
アンティークコインの価値が上がる3つの要因とは?
アンティークコインが投資に向いている理由について説明しました。
この章ではアンティークコインの価値が上昇する要因について詳しく解説します。
アンティークコインの価値が上がる要因は全部で3つあります。
それぞれ順番に解説していきます。
- 状態
- 市場の流通枚数
- 歴史的価値
アンティークコインの価値に関しては以下の記事でより詳しく解説しています。
アンティークコインの相場の決まり方は?価格推移や今後の動向を解説!
状態
アンティークコインの状態は価値や相場に直結します。
保存状態が良いアンティークコインは必ず市場から少なくなり、保存状態が悪いアンティークコインが多くなるからです。
出展:Heritage Auctions
こちらはアメリカのアンティークコインの鑑定機関、PCGS社によってVF20と鑑定されたアンティークコインです。
VF20とは「細部の鮮明度に少々難あり、文字は完全でキレがある」という意味です。
長い年月が経つことで、デザインは摩耗してしまい、中には文字が判別できなくなるアンティークコインも存在します。
出展:Heritage Auctions
こちらはPCGS社によってMS/PR-69と鑑定されたアンティークコインです。
これは「図案の鮮明さはほぼ完璧」という意味で、このくらいのアンティークコインになると価値は上がります。
中には同じアンティークコインでも、状態の違いで価値が2倍以上変わるアンティークコインも存在します。
市場の流通枚数
市場の流通枚数は価値を決定する要因の一つです。
わかりやすい例は試鋳貨幣です。
一般的な貨幣と比べて、試鋳貨幣の発行枚数は少ないです。
出展:コインパレス
先ほど紹介した「ジョージ5世 クラウン試鋳銀貨」がわかりやすい例と言えるでしょう。
通常のジョージ5世 クラウン銀貨が300万円で取引されているのに対し、ジョージ5世 クラウン試鋳銀貨は1500万円で取引されています。
このように価値が5倍以上変わるアンティークコインも存在します。
歴史的価値
ここでいう歴史的価値とは、何も昔に限ったものではありません。
例えば「〇周年記念コイン」などといった年代が限定されているコインも歴史的価値が高いと考えられます。
これは将来的に上昇する可能性があるのに、発行枚数は限定され、再販の可能性が絶望的だからです。
例えばこの「エリザベス2世WW1 休戦協定コイン」がわかりやすい例でしょう。
第一次世界大戦から100年経った2018年に発行されたから価値があるのであり、その年以外で発行されても、このアンティークコイン以上の価値はありません。
投資におすすめのアンティークコインの種類と言えば!
ここまでの話を聞いて、投資に向いているアンティークコインについて、気になってきたと思います。
ここでは様々なアンティークコイン専門店やオークションサイトを参考にして、今値上がりしているアンティークコインの種類を3つ紹介します。
もちろん、状態や流行に左右される部分はありますが、以下のアンティークコインの種類を見たら、注視してみましょう。
- 試鋳貨幣
- モダンコイン
- プルーフコイン
試鋳貨幣
試鋳貨幣の発行枚数の少なさ、流通量の少なさは他のアンティークコインの種類とは比較になりません。
そもそも発行される枚数が少ないうえに、現代まで残っているとなると必然的にさらに少なくなります。
状態も良いとなると1000万円以上の値で取引されてもおかしくはないでしょう。
出展:コインパレス
このアンティークコインは世界で初めての試鋳貨幣とされているアンティークコインです。
状態もPR50「細部は完全であり、表面にやや磨耗が見られる」と鑑定され、悪くありません。
そのため、現在このアンティークコインは2億円で取引されています。
モダンコイン
近年に発行されたアンティークコインは歴史的価値がそれほど認知されていないため、価格が全体的に安いです。
これから40年、50年と前月が経つにつれて、徐々に価値や相場が上がっていくでしょう。
出展:コインパレス
このアンティークコインはイギリスの皇太后の生誕90年を記念して発行されました。
現在は100万円で取引されていますが、今後年月が経つにつれて価値が上がる可能性は高いと見て良いでしょう。
クラウンコイン
クラウンコインも目が離せません。定義上、クラウンコインは再販されることはなく、かつ熱狂的なファンが多いためです。
イギリスのアンティークコインはその多さだけでなく、デザインが綺麗です。
そして現在存在しない、旧貨幣に基づいたものなので、ほとんどのコインが摩耗しています。
クラウンコインの中で状態が良いものは少なく、高値で取引されています。
アンティークコイン種類まとめ
いかがでしたか?アンティークコインの種類は多く、複雑ですが、6つの種類に大別して詳しく解説してきました。
投資に向いているアンティークコインや、コレクションに向いているアンティークコインを理解することで、アンティークコイン投資で失敗する可能性が少なくなるでしょう。
税金や経済状況に強いアンティークコイン投資。おすすめ金貨や節税ポイントを徹底解説
アンティークコイン投資についてもっと知りたい場合は、上記のサイトで詳しく学ぶことができます。
他の資産運用と比べたときの評価や実際にアンティークコイン投資を行っている人の口コミを見ることができます。
それでは最後に全体のまとめをしていきます。
- アンティークコインの種類は6つに分けることができる
- アンティークコインで投資をする場合は、種類だけでなく、状態や価値を探ることが大切
- 最近のアンティークコインにも注視する必要がある